子供の携帯・ネット上の活動をモニタリング 米国では既に一般的なサービス
先日は南アフリカ共和国での調査についての記事を書きました。
今回はこのまま世界に目を向けて、米国で一般的になりつつある、こどもの携帯・ネット利用の問題に対応するサービスをいくつか紹介したいと思います。フィルタリングや機能制限などの日本でも従来より利用されている「使わせない」仕組みは、もちろん米国でも利用されています。今回はそうではなく、「使いながら」守っていくようなサービスを紹介いたします。
なお、米国サービスのため、日本語には対応しておりません。説明等も全て英語です。米国では、このようなモニタリングサービスが一般的になっているという、参考情報としてご紹介いたします。
Safety Web
携帯電話、Facebook、Twitter、MySpaceでのこどものアクションを監視し、保護者に通知するサービスです。
こどもに許可を得ずに、モニタリングする仕組みです(メールアドレスで検索する+電話番号を知っている)。データアクセスの許可を得ずにデータを取得する場合、データ取得の範囲は限られる(一般に公開されている情報のみ)になるため、携帯電話に特化していると言っても良いかと思います。
創業1年6ヶ月で、信用調査会社のExperian社に、30M US$(約30億円)で買収されています。
社名 | 機能 | ポイント | 利用料 |
SafetyWeb Inc. (A Part of Experian) |
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10$/月 or 100$/年 |
Social Shield
Facebook、Twitter、google+、FormSpringなどSNSでの、こどもに有害なアプローチやアクションを検知し、保護者に通知するサービスです。SNSのみが分析の対象です。アラートの通知にはリアルタイム性があるようです。
なんと言っても特徴的なのは、無料で利用できることです(日本語は分析できません)。創業2年6ヶ月でPCセキュリティソフトウェア等を提供する、Aviraに買収されており、Aviraのフリー製品の仲間入りをしています。
社名 | 機能 | ポイント | 利用料 |
Avira |
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無料(Aviraフリープロダクトポートフォリオ) |
Secure.me
Facebookプロファイルと、アプリの安全利用をサポートするサービスです。ネット上の評判(悪評)の分析と、いじめやリベンジポルノ、炎上などで重要な、画像分析に強いという特徴があります。また、全体的に”理系”な近未来的なイメージでデザインをされており、個人的には今回紹介する4サービスの中では一番興味があります。
ただし、赤い文字の「High threat(高い脅威)」アラートが頻繁に出るため、保護者側としてはちょっと抵抗があるのではないかと懸念してしまいます。
Social Shieldと同様に、創業3年6ヶ月でAVAST(PCセキュリティソフト等の会社)により買収された後、無償提供になりました。、それまでは、月額 7 US$でサービスを提供していました。
社名 | 機能 | ポイント | 利用料 |
AVAST |
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無料 |
uKnow Kids.com
携帯電話、Facebook、Twitter、Instagramを対象としています。デジタル育児を簡略化することを目的としたサービス群の1つとしてのラインナップです。コミュニティサイトの1ツールであり、デジタル教材の提供とコミュニティ運営を実施しています。(時々PDFファイルの読み物が送られてきます)
確認はしていませんが、恐らくITリテラシ・情報モラル教育のセミナーなどを頻繁に開催しているのではないかと思います。
社名 | 機能 | ポイント | 利用料 |
uKnow.com |
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9.95 US$/月 |
以上、米国でメジャーな4サービスを紹介させていただきました。
既に無料化したサービスもありますが、各ご家庭で、7 ~10 US$の月額料金を支払い、利用しているという一般的なサービスになります。
フィルタリングや機能制限などの既存の「使わせない」仕組みは、もちろん今も米国内で利用されています。こどもたちも当然のようにSNSやスマホ、アプリ等でコミュニケーションを取る時代です。やはり「使わせない」仕組みだけではなく、「使いながら」守る仕組みというものも、重要になっています。
こどもがスマホやネットを利用していじめや犯罪に巻き込まれるといった問題、ニュースを、毎日のように目にします。文化や習慣は違えども、日本でもこのようなサービスが必要な時期に来ているのではないでしょうか。
※本記事の調査内容は2014/03/04時点の情報に基づいています。