いじめ防止プログラムの推進 フレンズネット北海道
協業させていただいている、フレンズネット北海道様のご紹介です。
以前、セミナーでネットいじめについてというテーマで登壇させていただき、3時間半に渡って、教職者、保護者、カウンセラー、メディアの方々と、ディスカッションする機会をいただきました。今後も「いじめ」をテーマとした活動の枠組みで、協力して活動させていただく予定です。
本記事執筆にあたって、フレンズネット北海道の小林公司理事長のコメントをいただいております。
併せてご紹介していきたいと思います。
フレンズネット北海道の活動テーマ
解決を目指す社会問題のテーマは「いじめ」です。学校などで起こる児童間のいじめだけでなく、最近問題として取り上げられるようになってきた、「職場いじめ」などもテーマに含んでいます。
問題として、もう少し大きな視点で捉えています。理事長の小林公司氏を中心に、長年、個人間のいじめから、民族や国家間の紛争までどのように平和的に問題を解決するかを研究対象として研究を重ねてきたそうです。この問題の根本には、対話・相互理解の欠如があると考えました。
これらの問題は、北欧、特にノルウェーで有効とされる『メディエーション(仲裁)』による和解で解決できることが実証されており、フレンズネット北海道では、この仲裁を行うメディエーター(仲裁員)養成を事業として目指しています。
フレンズネット北海道の理事長、小林公司氏は、次のように語っています。
フレンズネットはまず最初、メディエーションから出発しました。 分かりやすい言葉でいえば、仲直りのためのスキルです。社会にどこにでもある、いさかい、 いざこざを当事者の話し合いによって解決しようとするものです。 当事者同士では、なかなかうまくいきませんから中立の第3者(メディエーター)が入り 当事者が自分の思いを語るような雰囲気、場づくりをすることが大切です。そのような場をメディエーション(仲裁、調停)といい、決して当事者に強制や提案をすることはありません。 フレンズは、このようなメディエーションを、日本の社会に広げようと活動を始めたものです。
活動内容
主に以下のような活動を進めておられます。(2014/04時点)
■メディエーションのための連続講座(毎週1回、計5回程度)
北欧でメディエーションが普及した社会文化的な背景などを学びながら、講習会やロールプレイ(役割演技)を通して実践的なトレーニングを行っています。メディエーションの基礎とメディエーターの初歩的スキルを身につけます。
2014/04の時点で、第3回まで開催されているようです。
■研究機関や市民団体との連携
国内外の大学やNPO、市民団体などとネットワークを結び、共同のシンポジウム等の開催、いじめなどの調査や研究などを行っています。また、海外の先進的な取り組みをいち早く日本に紹介すると共に、調査研究のシンクタンク的な拠点作りを目指しています。
■海外講師のワークショップを開催
海外で学校仲裁を手がける専門家を招いてワークショップ・ロールプレイを開催し、現場のスキルを学びます。
■学校や企業への講師派遣
北欧ノルウェーやアメリカでメディエーションのトレーニングを積んだスタッフが学校(出前授業)や企業、自治体へ出向き、組織の実情にあわせて研修を行っています。
■セミナー研修会の開催
メディエーション・メディエーター養成講座(セミナー)を連続講座として4月以降、春季・秋季各10回連続で開催しています。
■ニューズレターの発行
活動内容を報告する会員向けのニューズレターをウェブ版で定期的に発行し、会員にお届けしています。
オルヴェウス・いじめ防止プログラム
いじめ研究の第1人者、ノルウェーのオルヴェウス博士の「いじめ防止プログラム」を、日本の状況に合わせて翻訳したものです。フレンズネット北海道のメンバーで翻訳を行った訳本になります。
小林理事長は、フレンズネットの活動とオルヴェウス・いじめ防止プログラムのつながりについて、次のように語っています。
残念ながら昨今の社会は、いじめ、それも深刻ないじめが多く生じてきています。 メディエーションは当事者に参加を強制しませんから、当事者が合意しなければスタートしません。
まずはいじめをやめさせることから始めるとすれば、 それにはオルヴェウス・いじめ防止プログラムが、有効なのです。
フレンズネットはしたがって、オルヴェウスプログラムという、 メディエーションとは別のプログラムを同時に教育の場に導入する ことによってこの問題を解決しようと考えたのです。
私もフレンズネット北海道の定例会で登壇させていただくにあたり、この本を熟読し、現代の「ネットいじめ」との設定などについての考察をお話させていただきました。
この本については、別の記事で解説していきたいと思います。