子どもの睡眠時間をスマホに奪われないために〜すぐにできるヒント!
小学生になると下校してから宿題や翌日の支度など、やることが増えるため、さらに子どもの睡眠時間を確保するのが難しくなります。早寝早起きが体にいいことや、年齢にあった睡眠時間が必要なことはわかっているものの、実際は十分な睡眠を確保できずに悩んでいる保護者も多いようです。
そこで、今回は学校向け相談・報告ITサービス”マモレポ”事業を展開しながら、全国の保護者や子ども達から相談される機会が多い株式会社マモルの隈有子さんに「子どもの睡眠時間をスマホに奪われないために〜すぐにできるヒント!」と題して、寄稿いただきました。
半数以上の子どもが睡眠不足!?
お子さんは普段、何時くらいに寝ていますか?未就学児を持つ保護者から「毎日寝るのが22時を過ぎ」「21時前に寝せたいのに」という心配やイライラの声など、就寝時間に関する悩みをよく耳にします。共働き家庭の場合、仕事を終えすぐに保育園へお迎え、その後夕飯を食べお風呂に入るという流れになると職場の就業時間にもよりますが、寝る時間が遅くなってしまう場合があります。
ニフティが未成年1,451人を対象にした調査(2020/7/2~7/31:夜寝る時間や、睡眠時間が足りているか、など子どもの睡眠についてアンケート)によると、次のような結果が提示されました。
この調査によると睡眠時間は、半数以上の子どもたちが「足りない」と回答し、中学生になると「足りていない」と答えた割合が小学生よりも10%以上増えているそうです。
先日、平日の21時にある塾の前を通ると、中からぞろぞろと出てくる小学生の集団に出会いました。21時に勉強が終わり、その後自宅に帰り、翌日の準備をしたり、お風呂に入ったりしていると、寝る時間が遅くなるのは確かに容易に想像がつきます。
平日は何時に寝ている?
続けて、平日は何時に寝ているかの調査結果を見てみましょう。
調査によると、「その他」で回答した82人のうち、41%が2時~4時ごろに寝ていて、特に小学6年生~中学3年生になると明け方まで起きている人がいるようです。
放っておくと夜型に。でも学校の始業時間は変わらない
このアンケートは小学校高学年、中学生が主なアンケート対象でしたが、今回は保護者から相談が多い小学生に話を絞ってお伝えしたいと思います。
平日、学校から帰ってSNS、ゲーム、YouTubeを見ている子どもは多く、保護者が放っておけば、子どもは自然と夜型になってしまうことが多いようです。夜更かしをしてでも、やりたいものが沢山あるというわけです。
ただ、夜更かししてしまったとはいえ、学校の始業時間は変わりません。寝る時間が遅くなれば必然的に睡眠時間も減り睡眠不足になります。そんな毎日が続くと次第に朝起きられなくなり、朝食をとる時間がなくなるなどの別の問題も出てきます。
小学生の睡眠時間を確保するために
朝、起きるのが辛くないように、十分な睡眠時間は、どう確保すればいいのでしょうか。
小学校低学年のお子さんの場合、保護者と一緒に寝ている場合があります。そうなると保護者の睡眠習慣が子どもの睡眠時間にも影響を与えます。つまり親が遅く寝ると子どもも遅くなるということです。子どもが寝た後にもいろいろやらなければならないことがあるのはわかりますが、ここは割り切って、可能な限り、子どもと一緒の就寝時間にし、親自身が早寝早起きを徹底する工夫が求められます。
たまに、小学生で「昨日は11時まで起きてたよ」と教えてくれる子どもがいて、なぜそんな遅くまで起きていたかと聞いてみるとお父さんもお母さんも各自のスマホで11時まで動画をみたりゲームをしていたということがあります。もしかしたら、生活リズムを狂わせてしまう原因は、保護者のスマホ利用なのかもしれません。
「家庭のルール」作りのススメ
もし、少しでも心当たりがあると思う方は、今夜から以下のようなルールを作ってみてはいかがでしょうか。
【小学校低学年の場合】
1.理想的な就寝時間決め、そこから逆算し、食事、入浴の時間を決める。
2.親子でスマホをみる時間を制限する。
3.消灯の時間を決める。忘れそうな場合はアラーム等を鳴らす。
小学校高学年ともなると、自分の部屋をもつ子どもも増えてきて、寝室が別々になることもあります。そうなると、親の生活リズムや行動とは別になってきます。
高学年になり習い事や塾も本格化していくなか、その時間に加え、今度は子どもが自室にこもり遅くまでゲームをやったり、SNSを覗いたり、お友達とLINEしているなどの現状があります。習い事や塾の時間をずらすことは難しいので自宅でのルールの徹底や工夫が必要です。
【小学校高学年の場合】
1.ベッド(子ども部屋)に入る時間を決め、徹底する。場合によってはアラーム等を鳴らす。
2.部屋に情報通信機器を持ち込ませない。
3.習い事で遅い日は帰宅して寝るだけにし、宿題などは翌朝に切り替える。
しかし、これらは頭ではわかっていてもなかなかできるものではありません。あるご家庭では、リビングに【スマホのベッド】という場所を作り、21時になったら「スマホも寝る時間だよ」と声かけをして家族全員のスマホを並べ利用をやめるということを徹底していました。
このようにアラームをかけたり、おやすみモードにして通知がこないように設定したりするなど少々強制的に利用をやめられるような工夫も大切です。まずは、それぞれの家庭にあうルールを決めるところからはじめてみてはいいかがでしょうか。
<家庭のルール作り「便利ツール」>
文字を入力するだけで各家庭のルールリストが作れます!https://www.ymobile.jp/sp/sumaken/rulelist.html
<さらに詳しく知りたい方のために>
どのようにスマホ利用を設定・運用すべきかについては、以下の記事で詳細に書いています。ぜひ、参考にしてみてください。
執筆者プロフィール
隈 有子(くま ゆうこ)
音響機器メーカークラリオン株式会社にてコンテンツ企画、マーケティングなどに従事した後、株式会社ディー・エヌ・エーにてモバイルコンテンツ企画、プロモーションを経て事業開発ディレクターとして独立。ワーキングマザー向けメディア立ち上げ等に関わりながら、多くの保護者と接点を持つ中で、以前から問題意識のあった「いじめ」を少しでもなくしたいという思いを強め、自身の強みであるwebマーケティングのノウハウをいかし2018年株式会社マモルを設立。いじめを未然に防ぐシステム『マモル』を開発する傍ら、イベント登壇、執筆などを行う。
HP : https://mamor.jp/