ご家庭でのこどものネット利用に関するアンケート 結果報告2
MONIPLAで行ったご家庭でのこどものネット利用に関するアンケート結果報告です。前回に続き、2回目です。
学年別、性別などで集計し直した、クロス集計データを出しました。学年間の回答数の偏りの影響を取り除くとともに、学年・性別などによる傾向の違い、変化などを見てみましょう。
家庭での対策
Q.お子様がインターネットやスマートフォンの利用を開始する際(既にされているご家庭では利用を開始した際)に、ご家庭で行うであろう(行った)対策等を、下記から選択ください。 選択肢に無い場合は、その他を選択し、ご記入ください。 (複数回答)
学年 | 人数 | 親との共用利用 | % | 家庭内でルール(約束ごと)を設定 | % | 特に何もしていない | % |
小学1年 | 59 | 27 | 45.8% | 45 | 76.3% | 4 | 6.8% |
小学2年 | 23 | 16 | 69.6% | 12 | 52.2% | 2 | 8.7% |
小学3年 | 19 | 12 | 63.2% | 14 | 73.7% | 0 | 0.0% |
小学4年 | 22 | 9 | 40.9% | 11 | 50.0% | 1 | 4.5% |
小学5年 | 27 | 14 | 51.9% | 18 | 66.7% | 1 | 3.7% |
小学6年 | 15 | 9 | 60.0% | 10 | 66.7% | 2 | 13.3% |
中学1年 | 17 | 9 | 52.9% | 13 | 76.5% | 1 | 5.9% |
中学2年 | 14 | 4 | 28.6% | 8 | 57.1% | 1 | 7.1% |
中学3年 | 10 | 3 | 30.0% | 7 | 70.0% | 0 | 0.0% |
高校1年 | 13 | 3 | 23.1% | 10 | 76.9% | 0 | 0.0% |
高校2年 | 10 | 3 | 30.0% | 8 | 80.0% | 1 | 10.0% |
高校3年 | 20 | 5 | 25.0% | 11 | 55.0% | 3 | 15.0% |
携帯・スマートフォンを利用する際に、家庭で行った対策に関する質問です。選択肢は7項目ありましたが、特徴ある3項目を抜き出しています(全ての項目については前回の記事を参照ください)。現在の学年ベースで集計しているため、現状とは異なる可能性があります。
採用の多い対策としては、親との共用利用、家庭内でルール(約束ごと)を設定、になりました。小学校2年生のお子様に対してのみが、親との共用利用が最も多い結果となっていますが、その他の学年で、家庭内でルール(約束ごと)を設定、が最も多い結果となっています。
共用利用に関しては、現時点(2014/4)で、中学校2年生以上になるお子様に対しては、採用の割合が減っています。
また、家庭内でのルールは、学年に依らず採用されています。この対策は「お金も手間もかからないから」という理由がありそうですが、親の気持ちとして、「自主性を育てる/尊重したい」、という意味合いも強いのではないかと思います。ただしこの対策は、その後にきちんと守られているかを確認する必要があります。「自主性を育てる/尊重したい」ということと、「こども任せにする」ことは一緒ではありません。これをきちんと確認していくことは、親の知識もある程度必要ですし、それなりの手間になるかと思います。
一方、特に何もしていないというご家庭は極端に少ない結果となっています。手放しには使わせないという方針は、大部分のご家庭であるようです。0件の学年もあります。
高校生の場合、自分でアルバイトして持っている場合、特に何もしていない、ということがあるかと思います。
家庭で採用しているルール
Q.ネットや携帯・スマホ利用に関する家庭内のルールが必要と思われる方は、下記の質問にご回答ください。 既に家庭内のルールを決めているご家庭の方はそのルールを、決める予定のご家庭では設定すると思われるルールをご回答ください。 選択肢に無い場合は、その他を選択し、ご記入ください。 (複数回答)
特徴ある項目を抜き出していますが、それでも項目が多いため、表を2つに分けます(全ての項目については前回の記事を参照ください)。
1つ目の表は、学年による変化が顕著なものを示した表です。
学年 | 人数 | 利用時間の限定(%) | SNSは使わない(%) | 写真を撮らない(カメラを使わない)(%) | マナーに関するルール(%) | 困ったら必ず相談する(%) |
小学1年 | 59 | 47(79.7%) | 19(32.2%) | 9(15.3%) | 25(42.4%) | 35(59.3%) |
小学2年 | 23 | 16(69.6%) | 7(30.4%) | 3(13.0%) | 9(39.1%) | 9(39.1%) |
小学3年 | 19 | 18(94.7%) | 5(26.3%) | 2(10.5%) | 6(31.6%) | 10(52.6%) |
小学4年 | 22 | 14(63.6%) | 6(27.3%) | 5(22.7%) | 4(18.2%) | 9(40.9%) |
小学5年 | 27 | 16(59.3%) | 11(40.7%) | 7(25.9%) | 12(44.4%) | 16(59.3%) |
小学6年 | 15 | 8(53.3%) | 1( 6.7%) | 1( 6.7%) | 7(46.7%) | 9(60.0%) |
中学1年 | 17 | 11(64.7%) | 6(35.3%) | 5(29.4%) | 8(47.1%) | 9(52.9%) |
中学2年 | 14 | 11(78.6%) | 2(14.3%) | 2(14.3%) | 7(50.0%) | 8(57.1%) |
中学3年 | 10 | 8(80.0%) | 2(20.0%) | 1(10.0%) | 2(20.0%) | 5(50.0%) |
高校1年 | 13 | 5(38.5%) | 0( 0.0%) | 0( 0.0%) | 7(53.8%) | 8(61.5%) |
高校2年 | 10 | 4(40.0%) | 1(10.0%) | 2(20.0%) | 6(60.0%) | 8(80.0%) |
高校3年 | 20 | 4(20.0%) | 1( 5.0%) | 2(10.0%) | 8(40.0%) | 12(60.0%) |
利用時間、SNS、写真(カメラ)については、学年が上がるにつれて、対象から外れていく(制限が解除されていく)ことが分かります。
逆に、マナーと相談に関しては、学年が上がるにつれて、対象となる割合が高まることが分かります。行動範囲が広くなり、社会に影響を及ぼす範囲や程度が高まっていきます。また、ある程度こどもの判断に任せて使わせるようになる分、報告・相談はしっかりして欲しい、というあたりの考えが表れている結果と考えます。
2つ目の表は、学年による変化があまり無いものを示した表です。
学年 | 人数 | ゲーム禁止(%) | ゲームへの課金は禁止(%) | クレジットカードの利用は許可しない(%) | アダルトサイト等は見ない(%) | 知らない人に連絡先を教えない(%) |
小学1年 | 59 | 9(15.3%) | 38(64.4%) | 34(57.6%) | 31(52.5%) | 35(59.3%) |
小学2年 | 23 | 2( 8.7%) | 12(52.2%) | 9(39.1%) | 10(43.5%) | 10(43.5%) |
小学3年 | 19 | 1( 5.3%) | 12(63.2%) | 12(63.2%) | 7(36.8%) | 6(31.6%) |
小学4年 | 22 | 2( 9.1%) | 13(59.1%) | 10(45.5%) | 6(27.3%) | 9(40.9%) |
小学5年 | 27 | 4(14.8%) | 20(74.1%) | 18(66.7%) | 18(66.7%) | 19(70.4%) |
小学6年 | 15 | 1( 6.7%) | 11(73.3%) | 13(86.7%) | 9(60.0%) | 13(86.7%) |
中学1年 | 17 | 3(17.6%) | 14(82.4%) | 8(47.1%) | 5(29.4%) | 11(64.7%) |
中学2年 | 14 | 0( 0.0%) | 10(71.4%) | 9(64.3%) | 7(50.0%) | 6(42.9%) |
中学3年 | 10 | 2(20.0%) | 8(80.0%) | 7(70.0%) | 3(30.0%) | 6(60.0%) |
高校1年 | 13 | 0( 0.0%) | 9(69.2%) | 11(84.6%) | 8(61.5%) | 6(46.2%) |
高校2年 | 10 | 2(20.0%) | 5(50.0%) | 6(60.0%) | 4(40.0%) | 7(70.0%) |
高校3年 | 20 | 1( 5.0%) | 11(55.0%) | 11(55.0%) | 6(30.0%) | 8(40.0%) |
ゲーム禁止は、想像していたよりもあまり採用されていないルールのようです。
一方、ゲームへの課金禁止は学年に依らず、採用されているルールです。クレジットカードの利用は許可しないも同様です。
知らない人に連絡先を教えないは、年齢に依りませんが、小学5年以降、割合の高い学年があります(平均値は54.7%です)。アダルトサイト等は見ないも年齢に依りません。
性別 | 人数 | アダルトサイト等は見ない | % |
男 | 109 | 51 | 46.8% |
女 | 147 | 69 | 46.9% |
アダルトサイト関連のルールは男の子に対してのものだと思っていましたが、実際はそうでもないようです。同等です。
アダルト関連の情報を得ないように、というよりは、ワンクリック詐欺などの架空・根拠の無い請求といった詐欺への懸念が、世の中に広く知られているといった理由があると考えます。
LINEについて
Q.無料通話アプリ、LINEについての質問です。 ご自身と、お子様のご利用状況を下記からお選びください。 (単一回答)
学年 | 人数 | お子様のみが利用している | % | どちらも利用している | % | 親との共用している人数 | 親との共用ではない人数 |
小学1年 | 59 | 0 | 0.0% | 3 | 5.1% | 1 | 2 |
小学2年 | 23 | 0 | 0.0% | 2 | 8.7% | 1 | 1 |
小学3年 | 19 | 0 | 0.0% | 3 | 15.8% | 2 | 1 |
小学4年 | 22 | 0 | 0.0% | 5 | 22.7% | 1 | 4 |
小学5年 | 27 | 0 | 0.0% | 2 | 7.4% | 1 | 1 |
小学6年 | 15 | 0 | 0.0% | 3 | 20.0% | 0 | 3 |
中学1年 | 17 | 2 | 11.8% | 3 | 17.6% | 2 | 1 |
中学2年 | 14 | 3 | 21.4% | 4 | 28.6% | 1 | 3 |
中学3年 | 10 | 0 | 0.0% | 3 | 30.0% | 0 | 3 |
高校1年 | 13 | 5 | 38.5% | 4 | 30.8% | ||
高校2年 | 10 | 2 | 20.0% | 1 | 10.0% | ||
高校3年 | 20 | 5 | 25.0% | 9 | 45.0% |
お子様のみで利用している小学生はいないが、親も利用していて、お子様も利用しているというご家庭はあるようです。
この場合、親子で共用している(親のLINEアカウントで友達と交流している)と思っていましたが、実際はそうではないということが分かりました。
表の右側から2列分は、親との端末共有の有無を算出したものです。小学生だけでなく、中学生まで算出しました。アンケートの設問内容から、現在は親との共有をしていないお子様もいるはずで、実際の人数はこれよりも多い可能性があります。
小学生からなんらかの専用機器を持ち、LINEを利用しているということがわかります。世の中の認識以上に、ICT利用の低年齢化が進んでいる可能性があります。
Q.お子様がLINEを利用しているうえで、お子様から、不安や不満をお聞きしたとこがあれば、その内容を下記からご選択ください。選択肢に無い場合は、その他を選び、ご記入ください。 (複数回答可)[必須]
学年と性別でクロス集計しました。
学年 | 人数 | 知らない人からメッセージが来た | |
男(28名) | 女(31名) | ||
小学1年 | 3 | 1 | 1 |
小学2年 | 2 | 1 | 1 |
小学3年 | 3 | 0 | 1 |
小学4年 | 5 | 0 | 2 |
小学5年 | 2 | 0 | 0 |
小学6年 | 3 | 0 | 1 |
中学1年 | 5 | 0 | 1 |
中学2年 | 7 | 1 | 2 |
中学3年 | 3 | 0 | 1 |
高校1年 | 9 | 1 | 3 |
高校2年 | 3 | 0 | 0 |
高校3年 | 14 | 2 | 3 |
合計 | 59 | 6 | 16 |
% | 21.4% | 51.6% |
性別に対して、明らかな差がありました。女の子は半分以上が知らない人からメッセージを受けています。
18歳未満のLINEのIDは、何もしなければ「知らない人」からは検索もできず、存在自体分かりません。
親のアカウントを共有利用していたり、キャリアでの利用者登録を正しい情報にしていない、自ら、もしくは知人などからアカウントへのアクセス用のQRコード等が流出している、などの可能性が考えられます。
アカウントのプロフィール画面などにアクセスできれば、利用画像やユーザ名などから、性別の判断がつくことはあります。
これにより、未成年の女の子のアカウントに対し、見知らぬ人からのメッセージ送信が行われていると考えられます。
※ LINEは株式会社LINEの商標です。
データに偏りがあり、人数規模的にもあまり大きなアンケートにはなりませんでした。このため、一般的な現状とは異なるものがあると考えられます。ただし、現状が認識と異なる可能性、そしてその傾向の一端を把握することはできたように考えています。
今後も適宜、アンケートや座談会などを実施し、現状の把握につとめていきたいと考えています。