もうメール使わないんですよ。情報通信メディアの利用時間と行動調査 総務省
総務省 情報通信政策研究所 から、2014年4月に、『平成25年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査<速報>』(PDF)が公表されています。
若者(10代、20代)の情報通信メディアの利用傾向は30代以降とだいぶ異なります。そのことがデータとして表れているものです。
以前の記事、『「自覚がある」ストレス解消・現実逃避 高校生のネット依存傾向 総務省』で、「『世の中の情報を得るのも、ネット』。この傾向は20代が顕著です。」ということを書きました。
これについても、この公表データの中に含まれています。併せて紹介していきます。
調査趣旨
テレビ、新聞といった従来型メディアと、ソーシャルメディア等のインターネット上のメディアの双方について、利用時間と利用時間帯、利用目的、信頼度等を調査。
対象:13歳から69歳を対象とする計1,500サンプル
調査日:2013年11月30日(金)~12月8日(日)
テレビの話などもあるのですが、若者のSNSやコミュニケーションアプリの利用について注目します。
若年層のコミュニケーション手段は、メールからソーシャルメディアに移行
実は、一番お伝えしたかったのはこの項目です。
図にあるように、若年層の平日のソーシャルメディア平均利用時間は、
10代 48.1分 (H24は 26.9分)
20代 45.1分 (H24は 21.9分)
とほぼ2倍になりました。メールと逆転しています。10代に至っては2倍上の時間を費やしています。
また、通話についても、コミュニケーションアプリの通話機能や格安電話アプリなどを用いた通話(ネット通話)の利用時間が長いです。携帯電話としての通話機能(携帯通話)と、家にある固定電話での通話(固定通話)を足したものよりも、ネット通話の方が長くなります。
10代 6.7分 (携帯通話+固定通話 は 1.0分)
20代 5.3分 (携帯通話+固定通話 は 3.0分)
手元に無料の電話ツールがあれば、固定通話も有料の携帯通話も使わないですよね。このような状態になることは、以前から指摘されてきました。それが実際に、若者世代では数字になって表れてきたというデータです。
若者世代では、携帯電話に限っても、完全にメールと携帯通話からは離れてきています。
メディアの利用目的
この項目が、以前の記事で取り上げた内容になります。
20代の若者では、
いち早く世の中のできごとや動きを知ろうと思うと、約60%がネットを利用します。
世の中の動きについて信頼できる情報を得ようと思うと、約30%がネットを利用します。
趣味・娯楽に関する情報を得ようと思うと、約80%がネットを利用します。趣味・娯楽については、年代に関係なく、全体的にネットの割合は高いです。趣味・娯楽に関しては、ネットの利便性が高いのでしょう。
グラフを見ると分かるように、この質問では、20代の若者はネットの利用傾向が他の年代と比較して高いことがわかります。
しかしながら、全体的にテレビの利用率は高いですね。座って見ていれば情報を得られる、という利便性や、コメンテータの口頭でのコメントなどは、依然ニーズが高いということでしょうか。テレビを観ること自体が根強い習慣となっているとも考えられます。
メディアの信頼度
信頼度は新聞が一番高い結果となっています。
テレビと新聞は依然強いですね。1つ前のグラフを見ても分かるように、全体的に、新聞を読んでいる回答者はそれほど多くはありません。「新聞読んでいないのに新聞は信用している」というのは奇妙ですね。
インターネットからは積極的に情報を得るが、基本的に信用できない・してないという傾向はこれからも続きそうです。現代のインターネットの情報は、疑ってかかるくらいがちょうどよいと思います。
少しでも違和感があるならまず疑って、正しいか、拡散する価値のある情報か、ということを見極めるスキルを身につけていきましょう。