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それ犯罪です!意外と知らない、ネット上に見られる犯罪行為 その2

前回の記事がロングテール的に好評な、『それ犯罪です!』シリーズ その2 です。(その1はこちら
今回は、昨今の事件でも聞き及びのある罪名を中心に説明させていただきます。ニュースで取り上げられるようなものも多いので、罪としては全般的に重いものになっています。そんな重い罪、「意外と知らないなんてことないでしょ。」と思うかもしれません。

書いてみた感触として、おそらく、意外と知らないという人も多いのではないか、という内容になっています。
例示を軽めの表現にしていますが、全体的には重いのでバランスを取ったかたち、ということで・・・。

■ 殺人ほう助罪

殺人を企てる者に対して、殺人行為が楽になるように手助け(幇助:ほうじょ)する行為です。
殺害実行に関する相談をメールやメッセージアプリなどで後押しした場合、実行されたら対象になるようです。

ありそうなケースを例示すると、

A:「もうアイツ殺してやりたいわー」 > B:「やっちゃえやっちゃえー」 > A:(殺害実行) > Bのやっちゃえ発言←殺人ほうじょ罪

という話になります。さすがにこのやり取りで罪になるとは思えませんが、実際に具体的な相談になり、(どうせ実行しないだろ)と思いながらも相談に乗ってしまうと、それは対象になる可能性があるということです。

メールやメッセンジャーアプリなどでも、殺人の犯罪の相談には乗らないようにしましょう。冗談だと思っても、そのような話を切り出されたら、まともに相手にしないことをお勧めします。そして、そのような相談をされたら、警察に連絡しましょう。警察に連絡するのを迷うようであれば、まずは友人に相談するだけでも糸口が見えるかもしれません。殺人ほう助をしていない、ということを体現する意味でも、一人で対応しないことが重要だと考えます。
メールやアプリは電話などと違ってデータが残ります。これがそのまま証拠になるので、意識しておくべきでしょう。

 

■ 脅迫罪

「殺す」、「刺す」など、「~するぞ!」と、相手の脅威となる行動を示唆して脅すこと。

刑法上は、以下のようになります。(wikipediaより引用

(脅迫)
第222条  生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
2  親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

『害を加える旨』ということで、発言者の『行為』ではないので、「死ね」は脅迫にならない、という裏を読みたくなる発想がありますが、別の罪になる可能性があります。「自殺教唆罪」(後述します)にあたりそうです。回数という1つの基準がありそうですが、状況というか、複合的な要素の1つとして、「死ね」などの言葉も罪に問われる要素になりそうです。相手が自殺してしまった場合などは、罪として成立する可能性はかなり高くなりそうです。

 

■ 強要罪、恐喝罪

店頭はもとより、ネットショッピングや通信販売などで怒り心頭でやってしまいそうな話です。そういう事件も報道で目にしたことがあります。
強要と恐喝の区別を付けるために、強要罪と恐喝罪を並べて説明いたします。

強要について。(wikipediaより引用

(強要)
第223条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。3 前2項の罪の未遂は、罰する。

脅迫罪と似ていますが、『人に義務の無いことを行わせる』というところが、強要にあたるようです。土下座させたり、詫び状や反省文を書かせたり、必要以上に謝罪を求める行為がこれに該当する可能性があります。

 

恐喝について。(wikipediaより引用

刑法249条
人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する(財物恐喝罪)
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする(利益恐喝罪、二項恐喝罪)。

脅して物や金銭を得たり、それを第三者に得させる行為が恐喝にあたるようです。「謝罪をかたちにしろ」と言って、不当な慰謝料を請求したり、追加で物品を要求したりすると、これにあたりそうです。言われてみれば、と思いましたが、恐喝については厳しく、物や金銭を実際に受け取っていなくても、『恐喝した(脅した)』という行為だけでも、恐喝未遂として扱われるようです。

どんなに頭にきても、強要や恐喝に踏み込まないよう、冷静に対処しましょう。

 

■ 自殺教唆罪、自殺ほう助罪

教唆は前述もしていますが、自殺の方向に導いていくことです。
ほう助は自殺しやすいように手助けすることです。

「死ね!消えろ!」などと強く連呼したり、「死んだら楽になるよ」などと一見優しく伝えたとしても、相手が自殺した場合は自殺教唆罪に該当する可能性があります。

また、「睡眠薬で死んだら楽でいいよ!」(あくまで例です)みたいなことを発言すると、自殺ほう助罪に該当する可能性があります。冗談だと思っていた、では通じないことも十分にあるでしょう。

 

 

以上、意外と知らないという人も多いのではないか、という内容になっていたと思います。

殺人や自殺について、「相手が本気とは思わなかった」というケースで、上記のような安易な返信をしてしまうことがあるかもしれません。また、あまりに怒ってしまったため、顔の見えないネットの向こう側の人に対し、脅迫や恐喝めいた表現を用いてしまうことがあるかもしれません。

ネット上では、これらの行動はすべて記録として残ります。しかし、その瞬間の状況は、あとから正確には示せないかもしれません。何が言いたいかというと、「相手が本気とは思わなかった」という気持ちや状況は立証できない可能性がありますが、「××で死んだらいいよ!」などと返信した事実は、そのまま正確に残るということです。

 

そのような発言や行動自体をしないように心掛けるべきですが、
一方で、不本意な罪に問われないようにという意味でも、ネット上の言動には気を使う必要がありそうです。

 

 


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