子ども達が自らルール考案。「柏市中学生によるネットトラブル防止会議」を取材【取組み紹介シリーズ[4]】
11月26日(土)に柏市の各中学校の代表者が集まり、「柏市中学生によるネットトラブル防止会議」が実施されました。
柏市では毎年12月を「いじめ防止啓発月間」と定めており、毎年12月に本会議を実施。今年で3回目となります。
会議では中学生らが話し合い、スマホとインターネットの利用に関するルールを考案。現在、スマホ・ネットの利用率が年々上昇している中、さまざまなトラブルが起きています。そうしたトラブルを避けるためにどうしたよいか。中学生が主体となった取り組みを取材しました。
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柏市役所沼南庁舎で実施された会議。市内各中学校から集まった生徒代表37人が6つの混成班に分かれ、柏市少年補導センターの麻生徹指導主事の進行で進みました。班構成は生徒だけではなく、「教員チーム」と「PTAチーム」をそれぞれ1チームずつ編成。
各班には大きな模造紙と付箋を配布。トラブルを回避するために出されたアイディアを付箋に記載し、「時間に関するもの」「場所に関するもの」などの種類別に分類後に模造紙へと貼られていきます。
話し合いの後は発表。各班の代表生徒は全体に向けて、自分の班でまとめられた内容を発表し、「ネット上に悪口を書かないようにする」「利用時間を決める」などの意見を出し合っていました。
今回は教員チームとPTAチームがあったことが特徴的。考案したルールを全体で発表する際にはPTA会長が「まず大前提として、あなた達中学生にスマホは必要無い。できれば持って欲しくない。しかし、それでは今日の議論は終わってしまうので、所有するという前提で話します。」という発言をしていたのは印象的でした。防犯、連絡手段として仕方なく持たせている。しかし色々な問題に巻き込まれるのは心配だというのが大人達の正直な気持ちなのでしょう。
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各チームの発表終了後、麻生徹指導主事が出揃った意見を取りまとめ、「スマホの利用は原則22時まで」「親の目の行き届かない場所では利用しない」「ながらスマホ禁止」「いじめ、誹謗中傷はしない」「何か起きたら信頼できる大人に相談」などのルールが考案されました。
最後には会議中の様子をまとめた動画が音楽と共に上映され、各生徒達の印象に残るものとなっていました。(いつの間に作成したのか不思議で、その手際の良さに感心しました。)
決まったルールは各生徒が自分の学校に戻って他の生徒に共有することになっています。場合によっては学校ごとでアレンジしてもよいとのこと。そうすることで「自分たちで決めたルール」という認識を持たせようという意図が汲み取れました。
PTA会長からの閉会の挨拶では、子ども達がトラブルに巻き込まれることに対する心配の声と共に、このよう取り組みを行う柏市に対する感謝の言葉も述べられていました。
多くの子ども達がネットトラブルに巻き込まれる事件が毎日起きています。今回のような自治体の取り組みにより、被害が減少することを願います。