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メタバースならではの交流方法! ~SNSとつながり~

前回の記事ではVRChatの利用者であるきょーりゅー氏が過ごしているメタバースでの生活について寄稿していただきました。今回はメタバースでの交流について書いていただきます。


 

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響によって、おうち時間が増えて、今や授業もオンラインで受けることが多くなりました。スマホやタブレット、ゲーム機の普及によって、ネットを介していつでも・どこでも・誰とでも交流できるようになりました。これによって、交流の仕方が重要になってくると思います。

 

前回は私が過ごしているメタバースの生活について書かせていただきました。今回は、メタバースならではの交流について考えてみたいと思います。

 

今回はメタバースでの交流について考えてみたいと思います

 

若年化してきたメタバース文化

今では、誰でも簡単にインターネットへ接続できます。それは大人も子供も同じ空間へアクセスできることを意味します。

 

VRの装着は13歳からという使用制限もあるため、VRを持っていない、又は年齢に達していない子供は、VRChatにはデスクトップモード(一人称視点でゲームをプレイするモード)で入っていることが多いです。よく海外の子供がワールド内で暴れまわっているのを見たことがあります。

 

日本コミュニティでは、2018年頃からVRChatが流行りはじめました。その頃は30代以上の方が多数を占めていたと記憶しています。が、ここ2年ほどで10代後半の参入が急激に増加したと感じています。理由としては、おうち時間の増加もそうですが、イベントの増加が挙げられると思います。

 

メタバースで行われるコミュニケーションには、暗黙のルールやしきたり、マナーなども多くあります。ですが、説明書はありません。若年化してきたコミュニティの情報は、口頭で語り継がれているものが多くあります。

 

VRChatの交流方法

私が生息しているVRChatは基本的にボイスチャットしか無く、文字のチャットを打つことができません。理由を詳しく知ることはできませんが、VRゴーグルを装着してのキーボード入力はとても難しいので、それも理由かと推測できます。

 

空間上では身振り手振りでのリアクションができるということもあり、あえて声を出さず、身振り手振りだけでプレイする方も一定数存在します。代わりにVRChatでは空間に文字を手書きすることができる部屋もあります。文字ベースの会話をする場合は、手にペンを持って空間に書いていくことも。

 

VRChatには有志の方が作ったイベントカレンダー(https://vrceve.com/)があります。日本コミュニティではイベントを目的として来る人も多くいます。そこから友だちを増やしていく、なんてことも今ではよくある話です。

 

しかし、これだけではうまく連絡を取ることはとても難しいなと思うこともあります。なので、ゲーム外の連絡手段を聞いてつながることも少なくありません。主な連絡手段としてはTwitter、Discord、そしてLINEが候補に挙がります。

 

VRChatでの連絡手段あれこれ

VRChat内の連絡手段は、基本的にボイスチャット以外にありません。ゲーム内でチャットを打つことは、ワールドに追加されているチャット機能を使うほかありません。なので、会って話す以外にコミュニケーションを取ることは出来ません。会いたい人のもとに行き、話す。これがVRChat内のコミュニケーション、連絡手段だと言えます。なので、他の連絡手段に頼るほかありません。

 

Twitter

VRChatユーザーは主にTwitterでのつながりを大事にします。大半のユーザーはVRChat用の専用のTwitterを持っていて、そこで連絡を取り合ったり日頃の日記のようなものを書いています。

 

私たちVRChatの住人は、自分のアバターをアイコンにして、会った際に「あ、この人Twitterで見た!」なんて不思議な出会い方をすることもあります。Twitterでつながることによって、新しいアバターの入荷情報や、衣装の情報、新しいワールド(空間)の情報共有にも使われています。それに加え、今ではイベント告知や新規の方がVRChatを初めた場合の告知等の受けツールにもなっています。

 

Discord

Discordはゲーマーの間でよく使われるチャットやボイスチャットができるツールです。自分の趣味が合う仲間と一緒にVRChat外のゲームをしたいときに、よく使われます。VRChatで行われる定期イベントのDiscordサーバーも存在するので、VRChatでは無くてはならないツールかもしれません。

 

LINE

LINEはコミュニケーションツールとして、そして身近な連絡手段として活躍しています。その反面、直接連絡できてしまうという脆い部分もあります。LINEは信頼できる友人や親族に限って使ったほうが良いと私は考えております。みなさんも、みだりにLINEを教えるようなことはしないようにしましょう。

 

たまにInstagramなどを使っているユーザーさんもいますが、リアルアカウントではなくVRChat用の写真アカウントとして使っている人が多く、私も風景の写真を上げる程度で使っています。

 

こう見ていると、リアルでつながろうという傾向は少ないことが見えてきます。もちろんリアルでも仲良くしているユーザーは多くはありませんが一定数います。不思議ですよね。

 

VRChatのオフ会の様子

メタバースで仲良くなった人たちとリアルでも会いたいなと思うときがあります。古いインターネットの考え方ではあまり馴染みがないかもしれませんが、今ではオフ会(オフライン交流会)も、よく行われています。VRChatではオフ会が秋葉原で行われることが多く、その中でも特に英国風パブとして有名なHUBで行われることが多いです。

 

このHUB秋葉原店(通称:秋HUB)はVRChatでは少し特別な存在です。VRChatには秋HUBのワールドがあり、以前はオフ会ごっこをして遊んだそうです。それがリアルに派生し、秋HUBオフ会が開催されるようになったのだと思います。

 

このオフ会、Twitterに集合写真がアップされることもしばしばあります。私も2ヶ月前くらいに3回ほどオフ会に参加をして、集合写真をとったことがあります。集合写真と言っても、スマホで自分のアバターを表示した状態で並べて、そのスマホの集まりを取るというなんとも不思議な集合写真なんです。面白いですよね。

秋HUBでオフ会をした際の集合写真

 

オフ会に参加する年齢層は大体20歳以上の成人ですが、学生さんも集まりに参加していると聞きます。理由としては単純で、「大人が奢ってあげるから行こう」という考えで参加することも多くあると聞いています。無料で参加できるなら…と、参加してトラブルに巻き込まれるケースも少なくないので、皆さんもオフ会に行く際は注意してくださいね。

 

必ずしも全員がいい人であるわけではなく、中には悪いことを考えている人もいます。自己防衛するしか基本的な防衛策はありません。仲の良い友だちが行くから、有名な人がいるから、とみだりにオフ会に参加することがないように、注意しましょう。

 

VRChatでも個人情報は教えないように注意

いろいろな交流方法がありますが、自分が何者であるかを相手に簡単に開示することもできます。何歳なの?性別は?何処に住んでるの?など、悪気もなく聞いてくる人もいますが、それは本当に相手が必要としている情報なのか、教える前に一度考えてみましょう。

 

VRChatでは、Amazonの欲しい物リストを共有してプレゼントを送る風習があります。欲しい物リストの住所の表示を非表示にしなかった場合、実住所がわかってしまう点が最も危ない点です。それに加え設定をしっかりしておかないと、嫌がらせで変なものを送られてきたりもします。

 

こうして書いていると、普段インターネットを利用する際に注意しなければならないこととあまり変わらないように感じます。みなさんも、連絡先や欲しい物リストを教える際は十分に注意しましょう。

 

私のメタバースへのハマりっぷり

ここで私がメタバースにハマっていった経緯を少し書きます。

 

私は小学校4年生頃からパソコンに触れるようになり、チャット広場や掲示板への書き込み等を行ってきました。チャットで仲良くなった人と連絡先を交換して夜まで連絡を取り合ったりもしたものです。中学時代からはオンラインゲームを始め、最長7年続いたオンラインゲームもありました。高校時代からはオフ会にも頻繁に参加していて、とても楽しかったことを覚えています。

 

それからしばらくはオンラインゲームに精を出していましたが、2018年頃に友だちから1ヶ月間ずっと、「VRChatをやろうよ」と言い続けられ、押し負けた形でメタバースに足を踏み入れました。これがなかったら今の自分が無いと思うと、感謝しかありません。友人、ありがとう。

 

それからは、毎日のようにVRChatをプレイし友だちを増やしていきました。次第にリアル中心からVRChat中心の生活になっていき、1日中ほぼVRChatにいた時期もあります。そんな時期の活動時間を図にまとめてみました。

 

最もVRChatにハマっていた時期の活動時間

 

6時:VRChatイベントである、ラジオ体操に参加(https://twitter.com/kleava/status/1496829519629778945?s=20&t=ZvxbZmT6pXXLgoanwm97VA

8時~12時頃:新着ワールドを巡る

12時:お昼休憩

13時~17時頃:フレンドの所に行ったり、ワールドで知らない人と喋ったり

17時:晩御飯

18時~23時:VRChatでフレンドとYouTube鑑賞しながら雑談

23時~2時:フレンドとワールド巡り

 

自分で言うのも何ですが、すごいですね。ハマりすぎていた時期は、時間も忘れてVRChatに籠もっていたことがわかります。VRChatに更にハマっている人はゴーグルをつけて寝ることもあります。これは、界隈では「VR睡眠」と呼ばれています。友だちと寝るもの一緒、起きたら書き置き(ワールドに設置してあるペンで「おはよう」などの簡単なメッセージを友だちが書き残してくれます)がたくさん残っている、なんてこともよくある話です。

 

怖い思いをすることもあります

主に楽しいことを列挙してきましたが、一方で怖いこともあります。

 

VRChatを始めるより前に、私はチャットで知り合った人にメールアドレスを教え、怖い画像を何度も送られたりしたこともありました。同級生からネットストーカーのようなこともされたことがあります。VRChatでも似たようなことを聞いたことがあります。お気に入りの友だちをストーカーしてみたり、リアルで追いかけ回して警察沙汰になったという話も聞いたことがあります。

 

インターネットでの交流は全て自己責任です。一人で抱え込むと事件に巻き込まれたり、逆に加害者になってしまうことも少なくありません。もし、困ったことがあったりどうしようと悩むことがあったら、周りに相談して助けてもらいましょう。

 

 

 

プロフィール

幼少の頃からメタバースに触れ、その魅力に溢れた世界の虜になり現在に至るまでにプレイしたオンラインゲームは数知れず、交流は多岐に渡る。主な生息地域はVRChatというメタバースだが、最近はTwitterに浮気がち。

名前 :きょーりゅー
Twitter:https://twitter.com/vtuber_kyoryu
HP      :https://www.kyoryu-san.info/

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