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フィルタリング普及率が低下している理由と、普及に向けての取り組みについて調べてみました。

前回の記事:最近のスマホに対するフィルタリング普及状況

 

今回はフィルタリング普及率がなぜ低下しているのか?それに対してどのような取り組みをしているか?について少し調べてみました。

 

フィルタリング普及率低下の理由

まず、フィルタリングを導入しない方々の理由

青少年のインターネット利用環境実態調査 – 内閣府によると

 

「フィルタリングを使っていな い」と回答した保護者(1,187 人)に、フィルタリングを使っていない理由を聞いた結果、 「フィルタリングを利用しなくても、子供の適切なインターネット利用を管理できるため」 27.2%と最も多く、次いで「特に必要を感じない」が 14.5%、「フィルタリングを使っ ていたが解除した」が 8.8%、「子供にとってフィルタリングが不便と感じた」が 7.5%で 続く。

 

「フィルタリングを使わなくてもネット利用を管理できるため」とのこと。かなり油断してるような。

 

「子供にとってフィルタリングが不便と感じた」というのは何を意味するかというと…

フィルタリングの利用率が減少、スマホの楽しさやLINEの義務感に負ける -INTERNET Watch Watch

 

今回の実態調査では、スマートフォンを使っていて不安だという声も少しではあるが出てきたという。しかし、それと逆行するかのように、フィルタリングの利用が増えるどころか減る傾向にある。原因を探ると、スマートフォン利用の面白さ・楽しさ、あるいはLINEのようなコミュニケーションツールを使っていないといじめられるといった“子供の義務感”に、フィルタリングが負けているからだという。

 

2013年の記事ですが、フィルタリングを使うとスマホの楽しさや便利さを制限してしまうから使いたくないと考えている人が多かったようです。確かにフィルタリングして使えなくなるアプリがあるなら、導入は嫌がりますかね。

 

と思ったら、現在はフィルタリングしていてもLINEは利用できるようになってるらしいです。

フィルタリング対象のカテゴリーになっているサイトやアプリでも、健全な製品であるという審査を通ったものはフィルタリング対象から外されるようになっているのです。そのような審査を実施するEMA(モバイルコンテンツ審査・運用監視機構)という団体があります。

現在、LINEは各種対策を行い適合認定を受けています

 

 

しかし

神戸新聞NEXT|社会|スマホ経由、性被害の子ども 有害サイト遮断せず

 

 若者を中心に人気が高いLINEは、設定すればフィルタリングをしながらでも使用可能。しかし設定が分かりにくいと考えたり、子どもにせがまれて契約時に利用しなかったりする保護者が多いという。

 

フィルタリングを設定するとLINEが使えなくなるという誤解もあるらしいです。

 

フィルタリングの普及率が上がらないのは、「うちの子は大丈夫」という信頼をしているか、「スマホを楽しく使うためにはフィルタリングが邪魔である」などの誤解、そして「めんどくさい」などが理由なのかもしれません。

 

どのようなフィルタリング普及活動をしているか?

以前の記事では、各社の出しているフィルタリングのアイコンを統一するなどして、分かりやすくして普及を促進する方向に動いていることを書きました。

それだけではなく毎年この時期に各省庁がキャンペーンを行っています。「春のあんしんネット・新学期一斉行動」という取り組みです。

総務省 「春のあんしんネット・新学期一斉行動」の取組

文部科学省「春のあんしんネット・新学期一斉行動」について

内閣府「春のあんしんネット・新学期一斉行動」:子ども・若者育成支援 

 

これから新学期になるタイミングでスマホを持つ学生が増えます。このタイミングを狙っての毎年の取り組み。各省庁、企業、関連団体などが一斉に協力して、フィルタリングの推進だけではなく、家庭でのスマホ利用ルールを作成を勧めたり、ネット利用に関する啓発講演活動なども行ないます。

 

ちなみにエースチャイルドとしても、この取り組みに賛同して啓発活動を行っていきます。多くの学校で講演を行いたいものです。(これはちょっと宣伝です。)

「春のあんしんネット・新学期一斉行動2017」キャンペーンについて | 安心ネットづくり促進協議会

 

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ここ数年、一気にスマホが中高生に普及しています。うまく使えば楽しく便利なものですが、一方でさまざまな問題も起きています。

スマホ普及率に負けないくらいのスピードでフィルタリングの普及率も上昇して欲しいものです。

 

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