ネットいじめとリアルのいじめ
2013年11月21日、株式会社ドワンゴ及び株式会社ニワンゴは、両社が運営する日本最大級の動画サービス「niconico」と雑誌「AERA」との共同アンケート企画「ネットでのいじめなどに関する実態調査」を行いました。
回答者数は122,024人だそうです。実施時間は約300秒です。多くの若者が利用するniconico動画上で行ったアンケートのため、ある程度ITリテラシが高い層という偏りがありそうな気がしますが、かなり効率的なアンケート方法ですね。組織票のようなものも排除できるという利点もあります。
ということで、“ネットいじめ” について、特にネットでのいじめとリアルでのいじめの関係について書きたいと思います。
まず、“ネットいじめ” って何ですか?というとこですが、
インターネット上におけるいじめである。ウェブサイトやオンライン、あるいは電子メール、携帯電話などの場で行われる。過激かつ陰湿なものはサイバー・リンチ、ネットリンチとも呼ばれる。近年、世界中で発生して問題になっており、インターネットの法規制・フィルタリング規制に発展する国・地方自治体も出てきている。
一言で言うと、上記にあるように、「インターネット上におけるいじめ」です。インターネットの普及率が高まり、ネット上で交流できる仕組みが広まるにつれ、世界中で問題になってきています。
平成25年6月28日に公布された “いじめ防止対策推進法” でも、いじめ防止対策推進法(概要)の三.基本的施策・いじめの防止等に関する措置の中で、「インターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進」が盛り込まれています。
この “ネットいじめ” ですが、関係性の観点で2種類あります。
- リアル(普段の生活)で関係が無い人(人々)の間でのいじめ
- リアルで関係がある人(人々)の間でのいじめ
1 は、ネット上のやりとり、例えば掲示板、コミュニティサイト、ゲーム内などのやり取りの延長線上で発生するいじめです。リアルでは関係が無いので、無視すればいいと考えるかもしれませんが、ネット上でのいじめはネット上に「記録」されるため、データが半永久的に残ります。(場合によっては、検索でかかるようになります)。削除も可能な場合がありますが、全て完全に削除するのはまず無理と考えた方が良いでしょう。また、ネットだけでなく、リアルの個人情報、特に住所や学校などを調べ上げ、リアルのいじめ(いやがらせ)に発展する場合もあります。
2 は、学校などでもともと関係がある間での、ネット上でのいじめです。恐らくですが、ほとんどのケースで、リアルでもいじめがあるのではないでしょうか。「リアルのいじめをネットに持ち込んでいる」と言い換えることができるケースが多いと考えます。(そのような調査データを探してみましたが、見当たりませんでした。)
先日お話した佛教大学の原先生のお話も、2 の話でした。子供はリアルでのいじめを、よく名前の挙がるLINEをはじめ、SNS、掲示板、学校裏サイトなどのネット上に持ち込みます。学校が終わった後、家に帰ってもネット上でいじめられるわけです。逃げ場がありません。
海外では既に、自殺に発展するケースが多数報告されています。
カナダの15歳の少女、アマンダ・トッド(Amanda Todd)さんの事件があります。SNS上でのいじめは逃げ場が無いという事例です。YouTubeに本人動画があり、衝撃的な内容です。
また、アメリカの12歳の少女、レベッカ・セドウィック(Rebecca Ann Sedwick)さんの事件も記憶に新しいと思います。この事件では、加害者が「自殺したことを知っているが気にしていない」という内容をFacebookに投稿したことを受け、第二の被害者を出さないために逮捕に踏み切られました。(日本でも「お通夜NOW」というのがありましたね・・・。)
ITビジネスアナリストの大元隆志さんの記事に、以下のような記載があります。(以下2文、ASSIOMAより引用。)
最近では、FacebookやTwitter、LINEと「有害サイト」では無いサイトへ人が集まり、そういった人の集まる所でイジメ被害が起きている。
投稿文からイジメを連想されるキーワードが検出されれば、保護者へ連絡するなどの「コンテンツパトロール」の仕組みが、今後重要になるだろう。
弊社で提供するFilii は、「SNSを対象にしたコンテンツパトロール」の仕組みです。まさに、で、投稿文からいじめを連想させるキーワードを検出し、アラートとしてお知らせします。
ネットいじめの対策が早急に必要なことは明らかです。
上記のように、フィルタリングなどのいままでの「使わせない」対策では十分とは言えません。日本でもこのような被害が増えて行くであろうことは、想像に難くありません。
国や学校の対策を待つだけでなく、「使いながら」も守れる仕組みを、ご家庭で検討してみてはいかがでしょうか。