いじめの実態及び対応状況把握のための調査 東京都
2013年9月に東京都教育委員会により、「いじめの実態及び対応状況把握のための調査」が行われ、その集計結果が2014年1月9日公表されました。(H25/4/1~9/30までの期間が対象)
都内公立学校におけるいじめの実態及びその対応状況について総点検するために、都内全公立学校(全・小中高特別支援校が対象)に対してを実施されました。
調査結果の数値的なものとして気になるポイントは、以下です。
東京都内公立学校のいじめ認知件数は8,151件
明らかに小学校、中学校で多く、小学校4,483件、中学校3,410件です。合算すると7,893件です。実に、約97%です。グラフにすると圧倒的な差が目に見えてわかります。
また、小学校6学年分の生徒数、中学校3学年分の生徒数を考えると、やはり学年別では中学校の割合が多いですね。ちなみに、過去の調査において、いじめが最も多いのは中学校1年生という結果が出ています。
高等学校においては「パソコンや携帯電話による誹謗中傷」の割合が28.4%と多い
いじめの態様のうち、『ネット上でのいじめ』というところにやはり注目します。この割合は高等学校で圧倒的な割合になっています。これもグラフを見ると分かると思います。ただし、今回の調査の場合、そもそものいじめ認知件数は中学校・中等教育学校の方が多いため、数としては中学校で303件、高校で63件と、約5倍にもなっています。中学生から、『ネット上のいじめ』に関しては十分警戒していく必要があります。
これらの実態以外に、東京都の市区町村別のいじめ認知件数と対応状況を示した資料があります。
実データは公開されている通りです。いじめの実態及び対応状況把握のための調査結果について(PDF)
認知件数だけだと生徒数の総計が多い地区の方が、認知件数が多くなると考えられるので、参考までに人口を併記します(※訂正)。東京都の統計から、市区町村別・年齢別の人口構成を出せるのですが、それを作成するのはちょっと手間過ぎるので(すみません)、年少人口(0歳~14歳)とさせてください。
地域別:年少人口といじめ認知件数 | |||
地域名 | 年少人口(0-14歳) | 小学校 | 中学校・中等教育学校 |
千代田区 | 6045 | 17 | 4 |
中央区 | 14586 | 10 | 6 |
港 区 | 27271 | 37 | 14 |
新宿区 | 27458 | 62 | 63 |
文京区 | 22181 | 45 | 43 |
台東区 | 17088 | 34 | 9 |
墨田区 | 26767 | 21 | 26 |
江東区 | 59454 | 120 | 146 |
品川区 | 39207 | 25 | 22 |
目黒区 | 27096 | 26 | 17 |
大田区 | 78258 | 113 | 157 |
世田谷区 | 98552 | 23 | 11 |
渋谷区 | 19582 | 43 | 83 |
中野区 | 26436 | 146 | 70 |
杉並区 | 53168 | 361 | 108 |
豊島区 | 22900 | 67 | 33 |
北 区 | 32679 | 102 | 63 |
荒川区 | 23488 | 86 | 16 |
板橋区 | 59902 | 475 | 158 |
練馬区 | 88930 | 245 | 199 |
足立区 | 83285 | 875 | 409 |
葛飾区 | 53973 | 78 | 40 |
江戸川区 | 95248 | 161 | 241 |
八王子市 | 72527 | 159 | 195 |
立川市 | 22573 | 101 | 172 |
武蔵野市 | 15231 | 11 | 10 |
三鷹市 | 21914 | 39 | 48 |
青梅市 | 17389 | 37 | 96 |
府中市 | 34726 | 28 | 12 |
昭島市 | 14624 | 118 | 15 |
調布市 | 28162 | 66 | 30 |
町田市 | 58397 | 33 | 45 |
小金井市 | 13962 | 26 | 58 |
小平市 | 24309 | 170 | 95 |
日野市 | 23657 | 42 | 203 |
東村山市 | 19891 | 19 | 69 |
国分寺市 | 14386 | 11 | 11 |
国立市 | 8985 | 22 | 73 |
福生市 | 6817 | 23 | 19 |
狛江市 | 8728 | 7 | 24 |
東大和市 | 11752 | 35 | 18 |
清瀬市 | 9589 | 7 | 8 |
東久留米市 | 14673 | 13 | 17 |
武蔵村山市 | 11037 | 13 | 11 |
多摩市 | 17605 | 66 | 58 |
稲城市 | 13418 | 23 | 12 |
羽村市 | 7878 | 27 | 36 |
あきる野市 | 11339 | 31 | 26 |
西東京市 | 25140 | 58 | 38 |
瑞穂町 | 4470 | 69 | 3 |
日の出町 | 2233 | 11 | 1 |
檜原村 | 176 | 2 | 1 |
奥多摩町 | 362 | 0 | 9 |
大島町 | 944 | 1 | 2 |
利島村 | 48 | 0 | 0 |
新島村 | 342 | 1 | 0 |
神津島村 | 289 | 1 | 0 |
三宅村 | 227 | 36 | 0 |
御蔵島村 | 59 | 0 | 1 |
八丈町 | 931 | 5 | 5 |
青ヶ島村 | 29 | 0 | 0 |
小笠原村 | 464 | 0 | 0 |
まず、いじめの認知件数が正しいいじめの実態かどうかは定かではありません。あくまで今回の調査により、認知された件数です。認知された件数が多いということは、きちんと認知している可能性が高い(件数が多いのに良い傾向)とも考えられますし、逆に少ないことは認知される可能性が低い(件数が少ないのに悪い傾向)という考えもあります。ここに表れないいじめというものも当然ながら存在します。件数自体が、いじめに関しての地域の優劣を示すものではありません。
なお、認知後の活動(教職員・スクールカウンセラー・警察連携等)により解消の状況は以下のようになっています。
深刻さはいじめられている本人の問題なので、数の問題ではないですが、8割が解消となっています。
依然、残り2割は継続対応中です。残り2割も継続して早期に解決へ進んで欲しいですね。
小学校 | 中学校・中等教育学校 | 高等学校 | 特別支援学校 | 合計 | |
認知件数 | 4483 | 3410 | 222 | 36 | 8151 |
① 解消した件数 | 3473 | 2623 | 174 | 30 | 6300 |
② 指導を継続中の件数 | 1010 | 787 | 48 | 6 | 1851 |
いじめの疑いがある件数 | 682 | 548 | 42 | 2 | 1274 |
(※訂正:地域別のいじめ認知件数を年少人口で割った割合を%表示しておりましたが、数字自体が正確性に欠くものであり、さらに誤解を与える可能性があるものと判断いたしました。%表示の部分を削除し、認知件数自体を表記したものに訂正いたしました。不正確で誤解を生む情報の表示を訂正し、お詫び申し上げます。)